Dannacy主催 トヨタモバイルトイレを設置した段無しマルシェ@西東京市文理台公園

イベント開催までの経緯

2024年5月11日に、西東京市の文理大公園にて、段無しマルシェが開催されました。イベントの主催はDannacyという、車椅子ユーザーの方が楽しめるようなイベントを企画する西東京市の団体さん。

車椅子ユーザーの方は下半身が自由にならないことから、一般のトイレを使用できないため、利用できるトイレがないことを理由にイベントなどへの参加や外出をためらってしまうことが多いそうです。

段無しマルシェでは、TOYOTA自動車が開発したバリアフリー仕様のトイレを設置し、車椅子の方もトイレの不安なく楽しめる様に企画をしたイベント。バリアフリー仕様のトイレはトレーラー型になっており、普通自動車で牽引できるもの。移動させることができるトイレなので、モバイルトイレという名称がつけられています。

モバイルトイレの開発のきっかけは、Dannacyのメンバーで車椅子ユーザーのつばさ君の、「トイレを心配せずにキャンプに行きたい」という声だったそうです。モバイルトイレの開発は数年前に始まり、東京オリンピックを経てその必要性が認知されて取り組みが加速。Dannacyとの意見交換を続けて改良を重ね、この度量産化が決定したとのことです。

DannacyとTOYOTAの間でこれまで築き上げてきた関係があったことから、西東京市の文理大公園で量産されるモバイルトイレを使用したイベントが実現出来たそうです。下の写真は取材を受けるDannacyとTOYOTA自動車の皆様、そしてモバイルトイレ。

モバイルトイレを実際に使用してみて

筆者は車椅子ユーザーではありませんが、私も実際にモバイルトイレを使用させてもらいました。牽引してくるのは普通自動車。なかなか普通自動車がトレーラーをけん引している姿を見ないので新鮮です。モバイルトイレのデザインもウッド調で、緑豊かな公園に溶け込んでいました。

車椅子の人の負荷が小さくなるように、傾斜の緩やかなスロープが設置されます。設置には10分くらい時間がかかるとか。

下記は実際の便器の写真。補助棒が左右にしっかり備え付けられています。中のスペースもバリアフリートイレに求められる基準を充足するだけの広さがあります。水洗式のトイレで新幹線や飛行機のトイレをさらにグレードアップさせたような質感のもの。

ウォシュレット付きであることには驚きました。フェスなどの野外のイベントなどでウォシュレット付きのトイレがあるとめちゃくちゃありがたいなと思いました。

大き目の空気清浄機が稼働していて、中はいい匂いでした。(当日は新品だったこともあるかもしれませんが。)

おむつ交換台も設置されていました。赤ちゃん連れの方にもうれしい仕様になっているのではないかと思います。

トイレ内に洗面台もあるため、手を洗ったりもできます。水回りに清潔感があってうれしい点。

トイレの稼働には、電源の供給が必要になります。当日は、自動車の電源と発電機を組み合わせて給電していました。ハイブリッドやEVのバッテリーはこういう時役にたつんだなあと実感。

トイレの水、汚水タンク。連続で100回程度は使用できるとのこと。大きなイベントなどでは水・汚水の処理要員が必要になりそうですね。

私は海外のフェスに何度か行ったことがありますが、トイレがものすごく汚く、使用するのが苦痛でした。海外のフェスにモバイルトイレがあったら絶対喜ばれるだろうなあと感じました。

イベント全体の様子

当日は西東京市の様々な団体が出展していました。地域一体となって、このイベントを作れていたのではないかと感じます。

西東京市の障がい者雇用支援団体の参加。車椅子ユーザーの方がスタッフとしても参加してくれました。

お菓子などは売り切れ、器の販売も好評だったと聞きました。

西東京市職員労働組合の皆様は、能登の復興支援の為に能登の特産品販売を行っていました。輪島塗のお箸を販売されていて、現物を見たら物が良さそうなので購入することに。

開封すると木の箱に梱包されています。

細部まで品のあるつくり。ちょうどお箸を買い替えようと思っていたので、良い買い物ができたなと思える一品でした。

東京消防庁による防災体験ブース。

火災時の煙が体験できるテント。私も体験させてもらいましたが、煙が立ち込めると本当に視界が全くなく、防煙ゴーグルを買っておこうかなあと思いました。

キッチンカーも3台出店していただき、美味しい食事や飲み物を提供してくれました。
フードトラック咲楽さんに並ぶ池澤西東京市長。(市長はお一人でふらっと会場に現れて、キッチンカーで色々購入して食べていただきました。好感度上がりました。)

市長も食べてた咲楽さんのルーロー飯。お肉の甘味がいきわたっているので、大人は山椒をかけて食べると、味が引き立って美味しい。

ヤナカフェさんの自家製ジンジャーエール。生姜が結構濃厚でさわやかで健康的なドリンク。

カステラ坊やさんのカステラ。優しい味で誰でも美味しく食べられる一品。お店の周りははちみつのような甘い香りが漂っていました。

武蔵野大学の学生さんたちのブース。子供達も楽しめるアトラクションで盛り上げてくれました。

多くの方の協力により、全体で良い空気感になっていたかなと感じます。

フジテレビでも報道されました

当日はフジテレビの取材も入っており、夕方のニュースで報道されました。非常に内容がよくまとまっていて驚きました。

イベントを通した感想

私もイベントのお手伝いを少しさせていただきました。個人的な感想としては、関与させてもらい非常に多くのことが学べてよかったなと感じました。

段無しマルシェのイベントとして、一番重要な目標は、車椅子ユーザーの方に安心してイベントを楽しんでもらうということでした。実際にイベントに来てくれた車椅子ユーザーの方が長時間楽しそうにしている姿は見れました。また、出店者として参加してくれた車椅子ユーザーの方にも楽しんでいただけたと聞きました。

イベントに来ていた若い子たちは、イベントが終わるまで会場に滞在して、終わった後にはみんなで仲良く次の目的地に向かっていったのを見て、イベントを開催してよかったなあと思いながら眺めていました。そのため、一番重要な目標は達成することできたかなと感じました。

また、今回の主たる目的としては障害をお持ちの車椅子ユーザーの方をターゲットとしていましたが、近隣の老人ホームにお住いの方々も車椅子でおこしいただきました。その方々にもモバイルトイレが好評で、イベントを楽しんでいただけたようでした。

一方、イベントに車でいらっしゃる方に向けて十分な駐車スペースを確保できなかった点は改善点でした。送迎される車の台数を見て、如何に車椅子ユーザーの方にとって自動車が重要か再認識しました。

実際に車椅子ユーザーの方たちが楽しそうにする姿を見れて、今後もこういうイベントを自分の地元の西東京市内で継続して開催出来たらいいなあと思いました。

下記の写真はイベントが終わり撤収していくモバイルトイレ。車椅子ユーザーの方、そのご家族や友人に楽しい思い出をもたらしてくれる、素晴らしい車両だと思いました。今後普及していってほしいなと思います。

Dannacyさんについて

最後に、Dannacyさんについてもう少し紹介を。Dannacyさんは車椅子ユーザーの方の楽しめる企画、イベント運営以外にも、文理台公園近くにDannacy Houseというバリアフリー仕様のトイレを設置したシェアスペースを運営しています。団体のHPのリンクと、当方が作成した紹介ページのリンクを下記の通り記載しますので、よろしければご覧ください。

DannacyさんHP:
https://dannacy.com/

当HPのDannacyさん紹介記事:
https://nishitokyo-machi.info/keijiban/sharespace/dannacy

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