田無出身の方のお米作りを見学に 山梨県南巨摩郡身延へ

2024年8月3日土曜日、友人が主催するゴミ拾いをしながら参加者とコーヒーを飲んで交流をするイベント(CCC西東京)を保谷で主催していたので、参加していました。

当日はDannacy Houseという車椅子の方も利用できる多目的トイレのあるシェアキッチンをお借りし、ゴミ拾いの後にアイスコーヒーを飲んで談笑していました。

参加者の中に、奥様のご実家の山梨県でお米作りに取り組み始めたという方(以降Tさん)がいらっしゃり、ご自身で育てたお米でおにぎりを作り、参加者にふるまってくださいました。

これがとんでもなく美味しかった。Tさんは10号もお米を用意してくれましたが、みんなであっという間に食べてしまいました。

私の住んでいるエリアは田んぼの無いことにちなんだ田無(たなし)というエリア。Tさんも私と同じ田無出身ということで、地元の人にも稲作の体験やお米作りを体験してほしいという思いがあり、体験会などの機会づくりに取り組んでいらっしゃるとのこと。

TさんはDannacy Houseさんにてペットボトルでの稲作体験を実施しているとのことで、私も見せてもらいました。下の写真のペットボトル3鉢で、ご飯一膳分とのこと。

お米作りをされている方はコーヒーを飲むスペースを貸して下さっていたDannacyを運営するご家族の皆様のお知り合いで、当日イベント後にご家族でTさんの山梨の田んぼに稲刈りの体験をしに行くとのこと。

以前から私自身が稲作に興味があったので、せっかくなので私も急遽お邪魔させていただくことに。当日ゴミ拾いのイベントには車で来ていたので、車で直接向かうことに。勢いで同行することにしましたが、片道約160kmあり、今思い返すとけっこうな距離を移動することになりました。

ゴミ拾いとコーヒー交流会を主催していた友人も勢いで一緒に見学に来てくれることになり、私の車で一緒にむかうことに。片道約3時間あったので、一人だったら道中なかなか退屈だったので、同行してもらえてありがたかった。

道中では何度も川幅の広い富士川の上の橋を通りました。運転しており写真を撮れませんでしたが、かなり大きな川という印象でした。帰宅後にGoogleで検索すると、富士川は日本三大急流(最上川・球磨川・富士川)の一つで、悠久の時代から、人々の暮らしに肥沃な恵みを与え続けてきたとのこと。

かつて江戸・明治時代には塩や米を運ぶ富士川舟運として物流の基幹となり、身延参詣も船を利用してたいへんにぎわっていたそうです。

稲作には水源が大事なんだなあなどと思いながら運転を続け、ようやくTさんと待合せをした甲斐大島駅に到着。運行されている身延線の到着を見たりしながら、Tさんの到着を待ちました。

待っている間に現在も田植えをしている田んぼ、現在は稲作が行われていない休眠中の田んぼいずれも見れるので、時間があればご覧くださいとお話しいただいていたので、田んぼを見学することに。

まずは現在も稲作が行われている田んぼから見学。青みがっかった黄緑の稲が美しく生え揃い、漲る生命力を感じられます。後ろには木々に覆われた新緑の山が見え、緑のグラデーションがとても美しい景観です。生育中ということが理由だと思いますが、稲は周囲の他の植物の緑とは違う、若々しい色合いであることが印象的でした。

せっかくなので近くまで歩いていくと、稲作をしている区画に水を流し込む用水路が見えてきました。近くで見ると貯水槽が思ったより大きく、常時水を一定量流し込んでいるのが印象的。


稲作は常に水を流し込み、温度を一定に保つ必要があることから、田んぼの各区画までに水を引き込むため、用水路が地域一体にはりめぐらされていました。


長い年月をかけて構築された用水路だと思いますが、富士川などの水源から各田んぼまでの用水路の構築には、莫大な労力も資金も投入されたものだと感じます。

また、私が住む田無にも用水路はありましたが、今は暗渠になっているため、用水路のある風景に懐かしさを感じます。

水路だけではなく、人や機器の運搬のための農道も必要になるため、稲作ができる環境整備はとても大変なものだということを強く感じました。

周囲には休眠中の田んぼも。せっかく長年かけて整備された水路や農道があるにも係わらず、活用がされていない状態は、とてももったいないと現場を見せてもらうと痛感しました。


農林水産省の統計によると、農業従事者の平均年齢は約67歳になり、若返りが出来ていない状況です。今後この点が早急に解決できなければ、今後10年で急速に農業従業者がいなくなり、日本の農業は壊滅的な状況に陥いることが想定されます。

先述の通り、稲作を行うためには水路の整備も欠かせず、長年かけて構築したインフラが担い手不足によって崩壊してしまうと、日本の稲作の立て直しはとても厳しく現実的ではなくなってしまうと感じました。

近年の夏場の猛暑の厳しさは皆様感じていると思いますが、あまりの酷暑のため稲作が被害を受けています。お米の生産量は落ち、一般消費者向け販売価格も暴騰しています。

私はコロナ禍以降、地元で子供食堂やフードパントリーの活動に参加していたことがありますが、当時はお米の価格が安かったことも影響したのか、お米の寄付の量がとても多かったことが印象的です。

子供食堂に限らず、低所得者層も含めてお米への依存度が高い家計への負担が心配になります。

Tさんは、休眠している田んぼを活用して、子供食堂にお米を寄付できるような仕組みを作ることに取り組み始められており、その行動力に敬意を抱きます。

また、環境や人体への負荷を考慮し、農薬を使用しないで生産することに挑戦されています。田んぼに生えるひえや他の雑草などを手で取り除き、稲にしっかりと栄養がまわるようにしているという話を伺い、気の遠くなるような作業をされているなと驚きました。

今回の訪問は短時間になってしまい、タイトルに反し農薬についてあまり言及できませんでした。自分でも勉強し、今後また訪問した際にお話を伺い記事にできればと思います。

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