先日お隣武蔵野市の素敵な喫茶店に伺ってきました。吉祥寺駅から中道通りを歩いて数分、小道に入ったアパートの地下にあるお店はあります。緑の蔦をまとった白いアパートは少し南国のような雰囲気を感じます。
入口にはメニューがおしゃれなイラストに描かれています。入る前からときめきます。看板を見るとネルドリップコーヒーが推しのお店の様です。
一段下がったところにあるお店の入り口。隠れ家感があって好きな構造です。
店内は白と茶色の落ち着いた色合い。クラシックな棚や器が素敵。クラシックのピアノ曲が流れているのも落ち着いた雰囲気です。
カウンター席が6名程度に、テーブル席が4名がけのものが二組といった座席です。
カウンター席の左端に座り、クロックムッシュにアイスコーヒーをデミタスで注文。先述の通り、コーヒーはネルドリップという手法でドリップしたもの。
ネルドリップとは、18世紀に開発されたドリップ式の元祖とも言える抽出方法。 “フランネル”と言う、片面または両面が起毛した生地で作られた、布製フィルターにコーヒーを入れお湯を注いで濾(こ)す手法です。
月波珈琲店ではコーヒーの濃さにライト、レギュラー、デミタスという濃さがあり、一番濃いのがデミタスです。
平日の昼間にお邪魔したので、お客さんも少なかったので目の前でドリップする工程を見ることが出来ました。コーヒー豆を挽いてから、布製のフィルターにパウダーになったコーヒーをそそぎ、はけのようなもので少しづつ詰めたり固めたりしていきます。作業中に香ばしい香りが漂ってくるのも気持ちが高まります。
ほどなくしてお料理と共にコーヒーが運ばれてきました。
デミタスコーヒーは50mlと量は少なめです。飲んでみようとグラスを口元に運ぶと、コーヒー豆の密度を感じる香ばしい香りが漂ってきます。紙製フィルターよりもめが粗いためか、より豆の味をダイレクトに感じます。濃密さがすごく、舌に乗せると苦みも風味も神経を走り抜けていく感じがします。
その濃密さから、飲み込んだあとも余韻が口の中に残ります。ウィスキーみたいな感覚ですねと店主さんにお話ししたところ、グラスに使っているのはウイスキーをストレートで飲むものだとか。ドリップ方法、器でこれだけ感じ方がかわるのかと衝撃を受けました。
ここ数年ハンドドリップコーヒーを飲むようになり、少し詳しくなった気でいましたが、まだまだ知らないことばかりだなと思いました。(そしてピクルスもクロックムッシュもとても美味しかった。)
カウンター席の左端には、何冊か本が置いてあったので手に取ってみて読んでみました。
こちらの内容としては、クラシック音楽の作曲家達の生活と食事がどんなものだったのか、作曲の背景と歴史を学びながら、旅をするかのようにたどっていくもの。冒頭でバッハの生きた1700年頃、どの様にコーヒーが飲まれていたか、彼の作曲したコーヒーカンタータという曲とともに紹介されていました。
私は音楽が好きで大学は世界史受験をし、コーヒーもよく飲みに喫茶店にいくため、自分の好きな要素が最高に絡みあった一冊でした。クラシックピアノが流れる喫茶店で、この冒頭の書き出しをよんだことによって、本の世界に完全に引き込まれてしまいました。
夢中で読んでしまいましたが、次の予定の時間がきてしまったため、お暇することに。
土日はとても忙しく、お客さんであふれているそう。今は平日に時間が取れるため、とても贅沢な時間を過ごすことが出来ました。特に平日に吉祥寺を訪れる際は、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。お値段は手間暇をかけられている分チェーン店よりはちょっとプレミアムなので、特にコーヒー大好きな方にお勧めです。
デミタスコーヒーに焦点を絞ってブログを書いておりますが、別日に頂いたレギュラーコーヒー、ピーカンナッツタルトもおいしかったので写真を添えておきます。
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